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アルツハイマー病の男女差

2026.01.30

メンタルヘルス

約570万人の研究が示す “女性のアルツハイマー病の症状進行の早さ”

認知症のうち、約3分の2はアルツハイマー病と考えられています。患者数は1996年の2万人から、2020年には79万4千人へと急増しています。アルツハイマー病では、脳に「アミロイドβ(アミロイドベータ)」というたんぱく質がたまります。それが引き金となり、神経細胞の中で「タウ」というたんぱく質が異常にたまり、神経細胞を傷つけてしまうと考えられています。
この病気は女性に多いことが知られていますが、「女性のほうが長生きだから」という理由だけではありません。体の仕組みや生活習慣など、いくつもの要因が関係しているといわれています。

アメリカで約570万人を対象に行われた研究では、女性は同じくらい脳に病気の変化があっても、記憶力や考える力が落ちやすく、病気の進み方もやや早い傾向があることがわかっています。

ホルモン・遺伝・生活習慣…女性に特有のリスク要因

女性は年を重ねて閉経を迎えると、女性ホルモン(エストロゲン)が減ります。このホルモンには脳を守る働きがあるため、減ると記憶力などが落ちやすくなる可能性があります。そのため、女性ホルモンを治療に利用できないかと期待されていますが、現時点では効果があるかどうかはまだはっきりしていません。

また、女性では遺伝子の影響が強かったり、糖尿病や高血圧、睡眠不足、うつなど、生活に関係するリスクが多いこともわかっています。

さらに、最近注目されている抗アミロイド抗体による治療の効果も、女性ではやや弱い傾向があるといわれています。そのため、研究や治療では「男女でどんな違いがあるのか」をしっかり調べることが、とても大切です。

参考文献

執筆者

中込 和幸のイメージ

マイレジストリ推進協議会 会長
国立精神・神経医療研究センター理事長

中込 和幸

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